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  • 中嶋野々子

桜に寄せて思うこと


冬の間、固い蕾だった桜の花がほころび、今まさに満開を迎えようとしている。

毎年、日本人の殆どの人が桜の開花を待ち望み、散って、桜吹雪になるまでの短い間、その美しさを惜しむように堪能する。

じっと寒さに耐えてきて、暖かい春の日差しのもとで、いっせいに咲き始める桜の花は、圧巻だ。

爛漫と咲き誇る桜の花から転じて、幹や枝に目を移すと、黒いごつごつとした岩肌を思わせる様相である。

まるで、風雪に耐えてきた木、擬人化すれば、ずっと厳しい環境、修行に耐えてきた人である。

この対比も、桜の花の美しさを際立たせているのではないだろうか。

以前、ある作家が桜の樹の下には屍体が埋まっていると書いているのを読んだことがあるが、さもありなんと思わせる。

明るい日差しの中でも、月明かりのもとでも、桜の花は、みるものをどこまでも晴れやかに、そして妖しい気分にさせる。

お馴染みの桜の花に出会い、今年も美しい花を咲かせてくれてありがとうと、心の中で唱え、また一年がんばろうと思うのである。

2022.o3.26


中嶋野々子


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